ULTIMATE X-MEN
『X-MEN』とは何者か?  舞台は近未来、人類は新たなる進化段階を迎えていた。世界各地で、細胞の中に 「X-factor Gene (特異遺伝子)」を持つ子供が生まれるようになったのだ。この X-factor Geneにより、ある者はテレパシー能力を、ある者は磁界を操る能力を、 またあるの者は恐ろしい怪力を、様々な特殊能力を得た。目の前に突如として現れた "彼ら"を人間たちは「ミュータント(突然変異種)」と呼んだ。 思春期など子供時代に突然、能力が発動するため、若きミュータントたちは、 能力の使い方も分からず、自分自身に驚き、恐れ、困惑した。

 「読心」「マインドコントロール」「念力」「怪力」「明晰な頭脳」 「壁抜け」「テレポーテーション」etc.恐ろしい力を持つミュータント が新たなる地上の支配者となることを恐れる人間たちは、今はまだマイノリティー であるミュータントに対し、差別・迫害を始めたのだった。 ミュータントであるというだけで学校に通うことは出来ない、 ミュータントの親だから会社はクビ。彼らにはあまり選択肢はなかった。 多くの者が、能力を隠して怯えながら暮らす、あるいは能力を利用して犯罪に走った。

 そんな世の中に、2人のミュータントが立ち上がった。
 一人の名はエリック・マグナス・レーンシャー(マグニートー)。彼は、 「ミュータントこそ支配者となるべき存在」という信念を胸に、 路頭に迷う若いミュータントたちを保護し、テロリストとしての教育を与え、 ミュータント・テロ集団Brotherhoodを組織し、人類に対し宣戦布告をした。
 もう一人の名はチャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX)「人類とミュータントは共存できる」という理想を追いかけ、若いミュータント たちのための学校を設立し教育を与え、同時に人間社会に対し自らの理想を主張した。 そして、教育を受け、エグゼビアの理想を 共に志すミュータント・チームX-MENが組織された。

 エグゼビアの理想を貫くため、X-MENは、テロから人類を守るために Brotherhoodと戦う。しかし、同時に人間による差別・迫害との戦いも続く。 Brotherhoodの敵は人間のはずが、同じミュータントであるX-MENと 戦わなくてはならない。

  「何故、自分は差別されるのか?」
  「自分は何者なのか?」
  「差別・迫害をする人間のために何故、戦わなくてはならないのか?」
  「何故、ミュータント同士が傷つかなくてはならないのか?」
  「戦いの果てに理想はあるのか?」



.............見果てぬ夢を追いかけ、戦い、傷つき、悩み、成長してゆく若き ミュータントたちの姿を描いた壮大な近未来SF巨編『X-MEN』。 MARVELから生まれて既に40年以上、いろいろな敵が登場し、Xメンバーの世代交代 なども行われたが、依然として人気が上昇しつづけている理由は、単にストーリーが 面白いからだけではない。それは、作品最大のテーマを『周りと異なるもの』『差別』 と、したことにある。

 「自分は皆とは違う気がする。」「皆に自分のこのことを知られたら仲間はずれにされる。」 とは、若者誰もが一度は抱く考えであり、そんなミュータントたちに共感する。 また、ミュータント差別問題、マグニートー、プロフェッサーXはそれぞれ、 アメリカの黒人差別問題、マルコムX、キング牧師とイメージが重なり、 二人の正義はどちらが正しいのか?あるいはどちらも間違っているのか?悩みつつも 戦いに巻き込まれてゆく若きミュータントたちの物語は非常に興味深い。

 もちろん、この重いテーマ抜きにしても、マッチョなミュータント・ヒーローが 活躍する『X-MEN』は単純におもしろい。そして、今から読むなら、是非 『ULTIMATE X-MEN』を!(2005.3.15)

(もどる)







アメコミの仕組み  アメリカン・コミックには、日本のマンガでは考えられない非常に違った仕組みがある。 すなわち『著作権』。日本ではマンガそのものやそのキャラクターなどの著作権は 基本的にマンガ作者が持っている。それに対し、アメコミでは、マンガもキャラクターも すべて出版社(例えばMARVEL)のものである。そして、出版社が脚本家、ペンシラー、 イラストレーター、レター、カラー、etc.を雇ってコミックを完成させている。
 この仕組みによって、例えばこんなことが容易に起こる。

  ■同じキャラクターを使って新タイトルを突然作れる。(同様に消せる。)
  ■キャラクターが色んなタイトルを自由に行き来できる。
  ■同じ作品の途中でイラストが変わる。(イラストレーターが変わる。)
  ■同じ作品の途中でキャラの雰囲気がちょっと変わる。(脚本家が変わる。)
  などなど。

 これが「許せない」という人はアメコミに向いていない、なんてことはありません。 すぐ慣れます。イラストレーターが変わってもまた元に戻ったりして、新鮮味が溢れてて 慣れると楽しめます。また、脚本家が変わることはめったにありませんし、変わっても 人気維持のためほとんど雰囲気は変わりません。もともと嫌味っぽいキャラの嫌味セリフが ちょっと増えたりするだけです。

 どちらかというと、問題なのは突然、キャラが他のタイトルへ遠征してしまったり、 読んでいるシリーズが2つの新タイトルに分割されたりすることです。 人気が出たらタイトルを増やす。これはMARVELが儲けるための策略です。 『THE UNCANNY X-MEN』 は40年以上の歴史の中であまりにも人気が出て、キャラクターも増加の一途(たまに死んで減ることもあるが)を たどり、途中で『UNCANNY X-MEN』『NEW X-MEN』に分割され、2タイトルで ストーリーが同時進行しはじめました。その後、若い世代キャラ中心のストーリー 『Generation X』が分裂。X-MENで人気が出たキャラクターがそれぞれ分裂・ソロ活動して 『Wolverine』『X-MAN』『Cable』『Gambit』『Rogue』『Mistique』etc.が発生。 UNCANNYとNEWからもストーリーが分裂して『X-tream X-Men』『X-MEN』『Astonishing X-Men』 などなど。すべてを読まなければ分からない、というわけではないが、 もう多すぎてやってられません。
 その点、『ULTIMATE X-MEN』では現在そのような分裂はない。他のULTIMATEシリーズ とのクロスオーバーはたまにあるけど、それも全部『ULTIMATE X-MEN』のタイトルで 収録されているので安心です。まぁ、これからいきなり分裂することのないことを祈ります。 (2005.3.15)

(もどる)







『MARVEL UNIVERSE』とは何か?  アメリカのコミック大手はたった2社しかない。 『MARVEL COMIC』『DC COMIC』がそれである。2社の代表的タイトルを 挙げてみると、

■MARVEL:『X-MEN』『スパイダーマン』『デアデビル』『アヴェンジャーズ』 『ハルク』『ファンタスティック・フォー』etc.

■DC:『バットマン』『スーパーマン』『ワンダーウーマン』『ザ・フラッシュ』 『ジャスティス・リーグ』etc.

 見ての通り、皆が知っているタイトル(がほとんど)だと思う。ちなみに『スヌーピー』 はどちらにも属さない。

 で、『MARVEL UNIVERSE』とは何か、というと、それはMARVELのキャラ全てが 住んでいる世界のことである。『MARVEL UNIVERSE』には、スパイダーマンも ウルヴァリンもキャプテン・アメリカもデアデビルもハルクもMr.ファンタスティックも 皆いっしょに住んでいるのである。ゆえに、ウルヴァリンがN.Y.に行けばスパイダーマンに 会うこともあるし、アヴェンジャーズがハルクを追いかけることもできるし、X-MENと ファンタスティック・フォーが戦うこともあり得るし、巨大な敵に対し、全てのヒーローが 集結して戦うこともある。
 このように、他のタイトル同士が出会うことをクロスオーバーといいます。

 『UNIVERSE』=『世界』についてももう少し突っ込んで説明する。 (『UNIVERSE』の概念は著作権が出版社にあることと非常によく合う仕組みなので、 先に 注1『アメコミの仕組み』を読んでおいてほしい。)

 コミックの世界の歴史によると、ことようになっている;「昔、2人の神が1つの 世界を作ったが、喧嘩して世界を2つに分けてしまった。このうち1つが『MARVEL UNIVERSE』 でありもう1つが『DC UNIVERSE』である。」(つまり出版社が2社あると。)
 ゆえに、『マーヴル・ユニヴァース』の住人(スパイダーマン、ウルヴァリンなど)は互いに 会うことがあるが、彼らが『DCユニバース』の住人(バットマン、スーパーマンなど)と は普通会えない。日本のマンガに置き換えれば、ルフィと悟空が戦うことはできるけど、 ルフィと幕ノ内一歩がボクシングすることは無いと言うことです。 (つまり、2社が著作権を別々に持ってるのだと。)

 というわけで、MAVEL COMICの話は全部マーヴル・ユニバースでの出来事で、DC COMIC の話は全部DCユニバースでの出来事、ということで解決。すれば簡単なんですが、 実際はもっと複雑です。

 『マーヴル・ユニヴァース』はいくつかのパラレル・ユニヴァース(並行宇宙)の 一つとして存在しています。すなわち、同じ人物が、同じあるいは違う時間軸を持つ 並行空間で同時に存在している、ということなのです。ほとんど全てのタイトルが 通常のマーヴル・ユニヴァースにおける物語ですが、若干違うタイトルがあります。

(パラレル・ユニヴァース編の例)

■『エイジ・オブ・アポカリプス』:プロフェッサーXが若いときに暗殺され、 マグニートーがX-MENを指揮しているという世界。この世界では人類+X-MEN軍v.s.魔人 アポカリプス軍団という構図で、通常世界でBrotherhoodだったミュータントがX-MEN にいたり、ビーストが悪の科学者としてアポカリプスの手下になっていて興味深い。 物語終盤で悪人ビーストが通常世界にワープしてきたりしてややこしい。

■『スパイダーガール』:未来の世界で、スパイダーマンを引退した ピーター・パーカーの娘が能力を受け継ぎ、ヒーローとなっている。

■『アースX』:最終戦争が起きて地球が荒廃した比較的遠い未来世界。 大気汚染の影響で、全人類がミュータントになっていた。 キャプテン・アメリカはアメリカ建て直しに奮闘。おじいさんになったサイクロプスは ストリートチルドレンを集めて新たなX-MENを結成する。

 などなど。

そんな中で、新たに現れたのが『ULTIMATE UNIVERSE』。 これは、リメイクのための新しいスタンダードな世界である。現在、 往年の人気作が続々『ULTIMATE』シリーズとしてリメイクされつつある。 『ULTIMATE X-MEN』『ULTIMATE SPIDER-MAN』『ULTIMATES』(=ULTIMATE AVENGERS) 『ULTIMATE FANTASTIC FOUR』などだ。
 ULTIMATE UNIVERSEは完全なリメイク用世界なので、今までのマーヴル・ユニバース からは一切干渉を受けない(はず)。ゆえに、今からX-MENを読むなら、 『ULTIMATE X-MEN』を読むのがベストなのである。(2005.3.15)

(もどる)

X-Men names TM and Copyright © 2006 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.
All contents and all other images copyright © 2006 ice-water.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送